氷点下15℃でも快適に!軽井沢の冬を乗り切る「建物の仕様」と「凍結対策」まとめ
- osaka

- 1 日前
- 読了時間: 9分
── はじめに:憧れの軽井沢暮らし、最大の懸念は「冬の厳しさ」

自然豊かな軽井沢での暮らしや別荘建築。その夢を具体的に考え始めると、多くの方が直面するのが「冬の寒さ」という現実です。この記事は、そんな冬の暮らしに対する不安を解消し、安心して軽井沢での生活を楽しんでいただくために、私たち設計アドバイザーがお届けします。
軽井沢は標高約1000mに位置し、その冬は想像以上に厳しいものです。真冬の平均気温は-3℃、平均最低気温は-8℃、そして時には氷点下15℃まで冷え込むこともあります。
このような過酷な環境では、水道管の凍結・破裂や、建物そのものへのダメージといった深刻なトラブルが起こりかねません。本記事では、厳しい冬を安全かつ快適に過ごすための具体的な「凍結対策」と、私たちフォレストコーポレーションが提供する建物の標準仕様について、詳しく解説していきます。
INDEX
・水道管の破裂リスク
・建物へのダメージ(凍み上がり)
対策①:建物を守る「基礎」の工夫
対策②:凍結を未然に防ぐ「設備」の仕様
対策③:不在時も安心な「暖房計画」
対策④:家全体を保温する「エアフロー工法」
1. なぜ凍結対策が重要なのか?軽井沢で起こりうる冬のトラブル
凍結対策を怠ると、どのような問題が発生するのでしょうか。軽井沢の冬に起こりうる、代表的な2つのトラブルをご紹介します。
私たちが最も警戒する、水道管の破裂リスク
外気温が氷点下になると、水道管内に残った水が凍って体積が膨張します。この力は非常に強く、水道管そのものや、接続されている給湯器、蛇口などの水栓器具を破裂させてしまう危険性があります。修理には多額の費用がかかるだけでなく、不在時に発生した場合は漏水による二次被害にもつながりかねません。
建物へのダメージ(凍み上がり)
冬の寒さは、配管だけでなく建物全体にも影響を及ぼします。「凍み上がり」とは、地中の水分が凍結・膨張することで地面そのものを押し上げる現象です。これにより建物の基礎が持ち上げられ、家全体が歪んでしまうことがあります。一度歪みが生じると、建具の開閉が困難になったり、最悪の場合、建物の安全性に関わる深刻なダメージにつながる恐れがあります。

2. 従来の対策「水抜き」とは?
軽井沢の別荘管理において、長年オーナー様を悩ませてきたのが、この「水抜き」という手間のかかる作業です。特に断熱性能が十分でなかった古い別荘では、冬場に建物を離れる際の必須作業でした。
具体的には、
1. 水道の元栓を閉める。
2. 家中の全ての蛇口を開ける。
3. 水抜きバルブを開放し、配管内の水を完全に排出する。
4. トイレの便器や排水トラップなど、水が溜まる箇所には不凍液を注入する。
といった一連の作業を行います。

この作業は非常に手間がかかり、専門業者に依頼するケースも少なくありません。
しかし、ご安心ください。現代の住宅技術は、この常識を大きく変えました。フォレストコーポレーションの新築物件では、後述する多層的な対策により、このような大掛かりな作業は基本的に不要となっています。
3. フォレストコーポレーションの多層的な凍結対策
私たちの凍結対策は、一つの部材や設備に頼るものではありません。「地中から」「建物全体で」「配管そのもので」そして「室内空間から」という4つのレベルで、冷気が侵入するあらゆる経路を断つ、多層的な防御システムを構築しています。
対策①:建物を守る「基礎」の工夫
建物を支える基礎は、凍結対策の第一歩です。ここで重要になるのが「凍結深度」という考え方です。
凍結深度とは 「地盤の凍結が起こらない地表面からの深さ」を指します。この深さよりも浅い位置に基礎や水道管があると、「凍み上がり」による建物の歪みや配管の凍結リスクが高まります。
信州の中でも、軽井沢の凍結深度は突出して深く設定されています。
• 軽井沢町:750mm~1,000mm
• 伊那市:600mm
• 長野市:450mm

私たちの「軽井沢仕様」の基礎は、この750mm~1,000mmという凍結深度よりもさらに深く施工することで、凍み上がりの影響を根本から防ぎます。また、建物に水を引き込む横引きの給湯・給水配管も、凍結を防ぐために凍結深度より深い位置に設置します。加えて、建物の土間コンクリート下にも厚さ30mmの断熱材を敷設し、地面から伝わる冷気をシャットアウトする二重の対策を施しています。


対策②:凍結を未然に防ぐ「設備」の仕様
建物の構造だけでなく、水道設備そのものにも万全の対策を施しています。
• ヒーター内蔵の給水・給湯管
軽井沢仕様では、給水・給湯管に**「凍結防止ヒーターを内蔵した架橋ポリエチレン管」**を採用。このヒーターは外気温が5℃以下になると自動でスイッチがONになり、配管を穏やかに温めて凍結を未然に防ぎます。

• メンテナンス性に優れた「ヘッダー工法」
これは、家の壁裏に**「配管のジャンクションボックス」**を設けるようなもの。メインの配管から各水栓へそれぞれ個別の管で分岐させるため、万が一、キッチンで水漏れが起きても、家全体の水を止めたり壁を大きく壊したりすることなく、キッチンへ向かう一本の管だけを迅速に修理・交換できます。

• 寒冷地用水栓器具
標準の設備で凍結の心配はほとんどありませんが、数ヶ月単位での長期不在など、万が一のケースに備えて水抜き作業にも対応できるよう、水栓器具はすべて寒冷地仕様のものを採用しています。

対策③:家全体を保温する「エアフロー工法」
一般的な高断熱住宅は、一度入った熱を排出できないという弱点を抱えています。それに対し、私たちの「エアフロー工法」は、いわば**「家の衣替え」**を可能にする技術です。
冬季は、床下と小屋裏に設置された換気口(ダンパー)を閉じます。これにより、壁体内に設けられた空気の通り道が密閉され、動かない空気層が生まれます。この静止した空気は、自然界で最も優れた断熱材の一つ。家全体がダウンジャケットや魔法瓶のように包まれ、**「天然の断熱層」**として機能するのです。


この効果により、建物全体の温度ムラが解消され、冷え込みがちな北側のトイレや洗面所、さらには押入れの中まで、リビングとほぼ同じ温度帯に保たれます。建物内に極端な低温箇所がなくなるため、局所的な配管の冷え込みを防ぎ、凍結リスクを大幅に低減します。
対策④:不在時も安心な「暖房計画」
建物を「冷やしきらない」ことも、重要な凍結対策の一つです。基礎断熱とエアフロー工法が家全体の保温性を高めた上で、最後の砦となるのがパネルヒーターによる「冷やさない」暖房です。

パネルヒーターは、低温で穏やかに室内を保温し続ける**「冷やさない」運転**を得意としています。特に、室温を5~10℃程度に保つ「凍結防止運転」は、就寝中や長期不在時に最適です。これにより、壁内や床下といった見えない部分の配管まで穏やかな暖気が行き渡り、局所的な凍結リスクを限りなくゼロに近づけます。
また、パネルヒーターには以下のようなメリットもあります。
• 無風・無音: ファンを使わないため、風も音も出ず静かです。
• 乾燥しにくい: 空気を直接暖めないため、室内が乾燥しにくく快適です。
• ホコリが舞わない: 気流が発生しないため、ホコリやアレルゲンが舞い上がりません。
4. 【オーナー様へ】最低限これだけは!冬季不在時のチェックリスト
フォレストコーポレーションの建物は高性能な凍結対策を施していますが、万全を期すために、オーナー様ご自身で実施していただきたい最低限の対策があります。特に冬季(12月~3月)に2日以上ご自宅を不在にされる場合は、以下の点をご確認ください。
• ブレーカーは落とさない
配管に内蔵された凍結防止ヒーターは電気で稼働します。ヒーターが作動できるよう、メインのブレーカーは絶対に「ON」のままにしてください。
• エアパスの換気口は閉める
床下と小屋裏にあるエアパス工法の換気口をすべて閉じてください。これにより、建物が「冬モード」になり、断熱性能が最大限に発揮されます。

• 浴槽に水を溜めておく
給湯器には自身の凍結を防ぐ予防ポンプが内蔵されています。このポンプが正常に作動するよう、浴槽の循環アダプター(お湯や水が出てくる金具)が完全に隠れ、その上5cm以上の水位を確保してください。

• 水廻り近くの水抜栓(不凍栓)を閉める
キッチンや洗面台の下などにある個別の止水栓を「水抜き」方向に閉めておくことで、万が一の際の fixture(器具)の保護につながります。

• 庭の立水栓を水抜きする
屋外にある立水栓は凍結のリスクが最も高い箇所です。必ずハンドルを「水抜き」方向に最後まで回し、蛇口を開けて内部の水を排出してください。

• 室内の暖房をONにしておく
パネルヒーターの凍結防止運転をONにするか、エアコンを暖房の「弱」設定で運転してください。その際、浴室の扉を開けておくなど、家全体が極端に冷え切らないように工夫することで、より安心して冬を越すことができます。

水抜栓(不凍栓)の役割とは?
水抜き栓は、冬季の水道管凍結を防止する為の器具です。
配管の水やお湯を配管外(土中)に排出する事により凍結を防止できます。
水抜き栓は冬期間中においても凍結しない「凍結深度」以下の場所に設置されていますので、排出された水も凍る事がなく安心です。
4. まとめ
軽井沢の冬は、厳しさだけでなく、90%という高い晴天率という恵みも与えてくれます。私たちの家づくりは、その両面を深く理解することから始まります。
凍結深度より深い基礎で大地からの冷気を、エアパス工法で夜間の放射冷却を制し、そして日中の陽光を最大限に室内に招き入れる。これは単なる対策の寄せ集めではなく、自然と共生するための設計思想なのです。
フォレストコーポレーションの家は、
1.「凍結深度」より深く施工する強固な基礎
2. 家全体を魔法瓶のように保温する「エアパス工法」
3. 外気温に連動する自動ヒーター付き配管
といったハード(建物仕様)の対策を幾重にも重ねることで、氷点下15℃という厳しい環境に対応しています。
建物が持つ性能(ハード)と、お客様による適切な管理(ソフト)。この両輪が揃うことで、極寒の地であっても、安全で心豊かな暮らしが実現します。この記事が、あなたの軽井沢での暮らしへの不安を解消し、その魅力を再発見する一助となれば幸いです。
「工房信州の家」軽井沢展示場 にてお待ちしております!

私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。







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